風呂敷には欠かせない「包む」と「結ぶ」。
そこには深い意味が隠されている。
「包」の文字は、母体に宿った新しい命を大切に慈しむ姿をかたどったもの。


「結び(=ムスヒ)」の原義は、形のないものを形づくること、
無から有を生み出すことを意味するという。
ご飯を握って形づくる“おむすび”も、果実が“実を結ぶ”のも、その象徴といえる。


風呂敷は「結ぶ」ことで一枚の布に機能性を促し、形づくって目的を果たす。
また、「包む」ことで中身を大切に扱い、届ける相手にも敬意を払う。


昔も今も風呂敷は日本人の精神性にも通じているモノといえる。
一枚の布「風呂敷」は、千年を越えて使われてきた。
そこには先人たちの知恵があり心があった。


限られた国土、資源、狭い家屋でも心豊かな暮らしを営むことができたのは
それらへの感謝を忘れず、必要な時に必要な分量を最後まで
有効に利用する知恵や工夫を誰もが身につけていたからではないだろうか。



四角い布「ふろしき」

広げるとちょっとドキドキ。
今日は、何を通包みましょう。
どんな結び方にしましょうか。
ふろしきは、あなたの思いをカタチにします。


お弁当を包みましょうか。
贈りものを包んでみましょうか。
品ものや誰かを大切に思う時間
それも、ふろしき使いの楽しみです。


端と端を結べば、バッグにだって早変わり。
たためば小さく、広げるだけで
ショールやひざ掛けにもなるんです。
楽しみ方はあなたのひらめき次第

始めませんか?
ふろしきのある暮らし。


ふろしきの歴史

「包」という文字は、
お母さんが赤ちゃんをお腹に宿した姿。
大切なものを守る、慈しむ形です。
日本人は古来より「包む文化」を大切にしてきました。
ふろしきで包むのも同じ意味合いです。


歴史では奈良東大寺の正倉院に
1300年前の御物がつつみという布で包み保管され、
その姿を今にとどめています。
包み布の文化はその後も大切に受け継がれ
暮らしの必需品として使われてきました。


また、「風呂敷」という名前の語源は
風呂(蒸し風呂)で使っていた布に由来します。
江戸時代中頃には広く「ふろしき」と呼ばれ、
商いや旅、婚礼と一般にも定着していきます。


願い込めた文様を染め、季節に合う絵柄を使うのも、
日本人の繊細な心遣いと美意識と言えるでしょう。


東京都とパリ市が実施する文化交流事業「パリ東京文化タンデム2018」の一環として パリ市において開催されました。


弊社 山田繊維・むす美も、スポンサー(特別協力)の一員として、このイベントに参画いたしました。
パリ市庁舎前広場には「東京からパリへの贈り物」として、唐草文様のふろしき包みをイメージしたパビリオンを設置。
パビリオンでは、ふろしきの歴史をたどるムービーやインスタレーション展示、ワークショップコーナーなどが企画されました。


日本の伝統あり、芸術性あり、環境の知恵でもある「ふろしき」の魅力を発信するアートイベントを 通して両都市のひいては両国の交流に繋げたいというものです。
6日間で21000人を超えるご来場をいただき、話題となりました。
今後も実用的でデザインの魅力も豊かなふろしきスタイルの海外での可能性に挑戦してまいります。